飛騨市美術館レポート製作編のつづき、展示準備編へまいります!
さてさて、美術館の大窓展示の作品320個 + 予備100個が届いたところで、作品設置前の準備に入ります。
ここから展示までは私の仕事。みんなが心を込めて折ってくれた作品を設置完了させるのですから、責任重大です。出来上がったものをそのまま持っていって、その場で貼っていては段取りが悪すぎます。時間と人が限られているため、可能な限りの準備をしておきたいところです。
このタイミングは2022年の4月に入った頃のお話です。展示当日まで2週間くらい。講談社「光の折り紙」 の出版で、折り図の作図原稿を全作品とりあえず提出終わったところです。私の原稿をもとにデザイナーさんが作図をしてくれている間を狙って、美術館の準備をしました。かなり体力的にキツかったですが、そんなこと言っている場合ではございません笑(忙しいときに忙しいことは重なるもんだ)。本業のカウンセリング・コピーライティングは完全お休み。もう待ったナシですから、美術館に全力投球です。
↓出版で荒れ狂ううっとりがみデスク
まずは、みんなが送り届けてくれた作品をチェック。お願いした作品の数、形に間違いがないか確認します。制作内容も仕上げもみんなバッチリ!
そして、窓5面別に仕分け。
続いて、届いた作品の裏に補強のテープを貼っていきました。窓への貼り付けはセロハンテープ中表に両面テープ状態にしたもので貼りますが、そのテープを作品に直貼りすると、撤去で剥がすときに作品が破れます。それを防ぐために下地用としてテープを貼りました。これ320個分全部。長男も借り出して作業しましたけど・・・
こんな大量のセロハンテープ貼ったことなくて。セロハンテープの粘着で人差し指の指紋が持っていかれて消えるかと思いました笑 水ぶくれ寸前でしたね^_^;普段、取材程度でしたら、まずこんなガッツリ貼ることはございません。これくらいしておかないと、50日の展示中に作品が剥がれ落ちることを防げませんからね。
で、ようやくここで、この超手書き配置表をパソコンでキレイにしました。
こんな手書きな状態じゃ、現場で作品思いっきり貼り間違えますからね。よくもまあ、こんな手書きでミスなく製作完了できたなあ・・・
この図を見ながら、作品を貼る順番にファイルへ収納。
これでようやく事前準備は完了です。
その他、現場で使う設置道具、ワークショップで使う材料や道具などを準備し、美術館へ無事発送完了。
4月13日、展示3日前に飛騨入り
4月13日に飛騨へ出発。3日前ですね。
3日前に飛騨入りといっても、神奈川の自宅から飛騨市まで6時間はかかります。朝7時過ぎに出て、飛騨市の古川駅へ着くのは13時半ごろ。なかなかの旅ですねーせっかくなので、車窓からの風景を楽しませていただきました♡
神奈川では桜が終わってましたが、飛騨市に近づくにつれ、なんとちょうど満開の桜があちこちに! 2回もお花見できてラッキー。
↓ 古川駅前の桜
すぐ、美術館へ向かいます。
おおー ついに始まるんだなと実感↓
今回の展示のポスターなど展示物もすべて、うっとりがみのデザイナーさんが担当してくれたんですよ〜♪ かわいいでしょ?
美術館の副館長さん、スタッフのみなさんにご挨拶を済ませ、展示位置や段取り、備品や荷物を確認したら、すぐに作業開始です。今日は私ひとりの作業。つなぎ着て気合い充分です(^^)
この日の作業目的は窓5面の作品を貼るための墨出し。いきなり作品を貼ったりしません。窓1面60作品x5をバランスよく美しく仕上げるために、まっすぐ、そして中心がぶれないように貼らなくちゃですからね。
位置を決めるために幅5mmの養生テープを20m分用意。使ったのはTAMIYAさんのもの。どうやらプラモに着色するためにこんな細い養生テープがあるようです。必要なメーター数は窓のサイズから割り出しました。
これをひたすら貼っていきます。採寸しながら、狂いのないように。
この日の作業はこれにて完成↓
作業を終えたころ、ちょうど閉館時間になりました。
明日は300個を全部貼り終えないと・・・終わりますように。
と、美術館を出たら、寒い!!!
4月の飛騨市、朝晩はまだまだ冷えるんですね。
ちょっとだけ町の中をお散歩。
あちこちにポスター貼ってくれてて、嬉しいな。
古川は情緒あふれるステキな町ですよ。
夕方だったから、お店は閉店だし、本当に寒い(急激に冷える)ので、足早に。
お宿でぬくぬく飛騨料理をいただき、ごきげんに。
ここでのんびりしたいところだけど、明日の段取りしたり、メルマガ書いたり、SNSへの投稿の準備したり。なかなかのんびりできない人です・・・^_^;
4月14日、300個の作品設置開始
さて、一夜明け、14日。今日が設置の勝負だ!
朝からたっぷりのご飯をいただき、エンジン全開で美術館へ。
さて、今日は心づよい助っ人がきてくれます。
数ヶ月前に透かし折り紙研究部へ飛び込んできてくれた、おとなり高山市のHさん。美術館と出版で忙しいから、長らく透かし折り紙研究部のメンバー募集を停止していたのですが、「入りたいです、美術館手伝いたいです!」とすごい勢いでお問い合わせいただいたのでHさんを喜んでお迎えしたんですよね。
Hさん到着までは私だけで作業。
昨日墨出ししたところの1枠に作品を順番に貼っていきます。飾りの中心が枠の中心に合うように、中心を割り出します。
100均のビースの紐使いました。別に狙って使ったわけじゃなくて、道具箱の中にそれらしい紐がこれしかなかったからです。だけど、適度な重さがあって紐をまっすぐ垂らすことができるので、結果的にビンゴでした。なんてラッキー(考えているようで、あんまり考えていない^_^;)。
↓ 垂らした紐に作品の中心が通るように貼りました
↓ 引いて見ると、こんな感じね
作品の裏には、あらかじめ貼ってあった下地セロハンテープの上に、輪っか上のセロハンテープ(周り)と粘着ピン(中心)を貼り付け、完全防備。50日間剥がれ落ちてこないようにするためです。
ぼちぼち貼っているところに、Hさん登場!
テープ係をHさんにお願いし、私は次々作品を貼っていきました。
Hさん、初めてお会いしたんですけど、底抜けに楽しい方で、おしゃべりが止まらず、ときどき作品貼り間違えました笑 こんな楽しい方に巡り会えるなんて、ご縁ですね。
どんどん作業を進めまして・・・
できた!!!
最後は養生テープを撤去しまして、完成!!
外からみるとこんな感じ。グラデーション、わかりいやすい(^^) ↓
Hさんがいてくれたおかげで、閉館時間ギリギリに作業完了!
3日前に来ると決めた時点では私ひとりの作業の予定のつもりで時間を見積もっていたのですが。これ、私ひとりだったら、まずムリだったよね・・・
助っ人で飛び込んでくださったHさんには本当に感謝です。いつも仲間に恵まれる私は幸せ♡
いよいよ明日は展示前日。
明日は研究部員のみんなの作品設置。
夕方はやっぱりものすごく寒いので、美術館を出てすぐ宿へ。
4月15日、設置最終日に研究部員集結
いよいよ展示前日。
今日は研究部員有志の個人作品と@sywnyさんの灯り作品設置です。
設置場所はこちらと
@sywnyさんの特別展示室設置スペース
今日ですべての設置を完了させ、何事もなかったかのように美しく片付けなければなりません。終わりますように・・・だって夕方からみんなで飲み会だもん〜
みんな、っていうのは透かし折り紙研究部のメンバーです。
今回美術館のプロジェクトにメンバーのうち24人が飛び込んでくれたのですが、そのうち前日に7名がなんと飛騨まできてくれたのです。
北海道から2人(@sywnyさんも!)、大阪から2人、関東から2人。そしてHさん。研究部始まって以来、リアルで集結するのは初めてです。みんな遠方だし、コロナだし。本当にありがたい♡
みんなが来てくれて、本当に助かりました。
だって、個人作品、こんなに沢山あって(一部です、@sywnyさんの作品がまだまだ山程ありました)。
繊細な作品ばかりなので、取り出すのもドキドキ。飾るのもドキドキ。
ひとりじゃできなかったなー
時間的にはもちろんのこと、ガサツな私にはみんなの繊細な作品を取り扱うのがおっかなびっくりで。器用で丁寧なメンバーたちの手を借りることができて、とても心強かった。
おかげで、予定時刻より早く終わりました。それに、なんだか修学旅行みたいなノリになっちゃって、楽しくて仕方ない! リアルでお互い会ったの初めての人がほとんどですが、日頃からのネット上のやりとりだけでこんなに仲良く楽しく、チームワークばっちりにできるなんて。やっぱりみんなコミュ力高すぎ♡
無事すべての準備が完了しました。おかげで飲み会めちゃくちゃ楽しませていただきました!
最終話へ続く。
中村 香代
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