【飛騨市美術館レポ・1】うっとりがみの「透かし折り紙展」〜製作編〜

折り友部メンバー投稿

2022年4月16日〜6月12日 オンライン部活「うっとりがみ透かし折り紙研究部」で飛騨市美術館 展覧会に出展しました!
その様子を3回に渡ってレポートします。

レポートその1は製作編です。

2020年8月 美術館からのお問い合わせが!

2020年8月のある日、サイトからお問い合わせがありました。
なんと美術館からではないですか。
びっくりしました。

2020年7月に婦人画報さんにカラーで10ページもうっとりがみのことを掲載していただき、それを見てご連絡をくださったのだそう。

当時、オンラインコミュニティ「うっとりがみ透かし折り紙研究部」も少し前に始まったばかりでした。これはもう、メンバーみんなで取り組むのが楽しいに決まってるよねってことで、ありがたくお受けしたのです。

そこからカウントすると、開催まで612日でした(^^)

途中、展示内容の調整で半年延長になっていますから、ずっと製作していたわけではありません。メンバーに製作をお願いしたのは2021年の7月ごろと思いますから、製作期間はだいたい9ヶ月くらいですね。

さっそく企画へ突入、現地調査〜製作作品決定まで

それまでの1年はどのような展示内容にするのかを美術館の方と打ち合わせでした。美術館展示室の図面や写真、オンラインでつないで美術館の内部を見せてもらったりしながらイメージをつかみつつ、お誘いいただいた翌月2022年9月に美術館へ現地調査へ行ってきました。やっぱり見てみないとわからないこといっぱいですからね。

展示やワークショップの場所を確認して、設置場所のサイズを測ったり、備品を見せていただりたりしました。

そこから、展示内容の企画を始めました。窓のサイズが分かれば、いくつの飾りが必要かは計算できますからね。

だいたいざっくり希望や必要情報をまとめた上で、いつもお世話になっているデザイナーさん(うっとりがみの冊子5冊と講談社出版の「光の折り紙」にご一緒していただいている方)に相談して、構成や配色のご提案をもらいました。大切な飛騨市の予算をお預かりしての製作ですから、発表会の遊び気分はNG。デザインはプロの意見を聞くのが一番です(^^)

その上で企画書を作成し、美術館へ提出。企画書の一部↓
これが・・・

最終的にこうなりました↓

企画は重要でございます、ハイ。

市の予算で製作しますから、かかる費用をすべて計算し、予算案を提出。開催年の前年に予算提出して、承認されたら正式にGOとなる流れで進みました。

一方で、製作の指揮もとらなくてはいけません。ここからは私の仕事です。
上の写真はメインの大窓展示。全部で300個の飾りが必要です。展示期間中の破損に備えて別途20の補欠を準備することにしました。合計320個です。

(結果的にはメンバーの協力でなんと100個の予備を製作、万全の備えで展示に望むことができました! ありがとう♡)

5枚の窓を使い、どういう形の作品をどのような順番で貼るのかをプランしました。見た目の美しさはもちろん、形のバランス、配置、50日間の展示に耐えうる作品なのかどうかなども加味しながら、考えます。

私の作品ばっかりじゃつまんないから(自分が見飽きているというのもあって)、メンバーにお願いして、みんなのオリジナル作品を使わせてもらうことにしました。

それが、この超絶手書きの配置表です。
これをもとに、折り折り隊員にどの作品を何個、何色のひかりとり紙で折ってもらうか割り振っていきました。それをもとに必要な材料を各メンバーへ発送。

今考えると、こんな手書きの表でよくもまあ、ミス1つなく製作をお願いできたなあと思います・・・^_^; (ちゃんとパソコンで作ろうよね?笑)

2021年7月製作開始!

各メンバーにお願いしたのは 20作品 + 余力で予備。
1ヶ月に2〜3つずつ折ってもらって、9ヶ月くらいでできあがる余裕を見ておきました。

だって、みんな家事や育児、仕事、介護、就活、資格の勉強、その他諸々忙しいんだもん。もちろん一気に短期間で折ってくれてもいいし、それは各自のやり方にお任せしました。

うっとりがみ透かし折り紙研究部では、クローズドのオンラインSNSを使っておりまして、日頃はここを部室に情報交換をしております。で、美術館プロジェクト専用の部屋をSNS上につくり、そこでみんなとやりとりしながら進めました。全部文字のやりとりだけで、一度もZOOMなどビデオツール使ってないんですよ。みんなすごいでしょ?結構なんでもできちゃう。みんなコミュ力高すぎ♡

美術館準備室では、のりづけの研究も盛んでした。
自宅用なら、ぶっちゃけのりづけもテキトーでいいんですけど(私もいつもテキトー)、50日間も展示をするのですから、その間の紫外線や乾燥、激しい温度差に耐えられないと、折りこんだ部分が剥がれてくる恐れがあるからです。

9ヶ月の製作期間、みんないきなり作品を折らず、のりづけのパターンを研究したり、折ったものを2ヶ月間窓に貼ってどうなるのかを試してくれたりしました。お願いしたわけでもないのだけど、展示のために進んで試したり、話し合って工夫をしてくれたり。このチームワークがうっとりがみを底から支えているんですよ、ホント。

のりづけだけでなく、折りの追求度についても熱心でした。折りの完成度について、私は正直まったく気にしてなかったのです。それぞれみんな経験が違うのだし、得意不得意もあるしね。できる人ができることを楽しんでくれればよいな、と。

だけど、研究部員はそうではなかった・・・「飛騨市のみなさんにうっとりできるものをお届けしたい」という想いから、提出作品を作る前に何度も折って練習してくれました。この向上心。脱帽でございました。

その熱心さはSNS上のやりとりだけでは計り知れないものがありました。2022年3月、展示の1ヶ月前くらいから作品が続々私へ届きました。そこにはお手紙が添えられていて、どのように取り組んだのか、どこに課題を感じたのか、作ってみてどうだったのか、など努力と工夫について綴られていました。それを読んで私はただただ感動。こんな心を込めて折ってくれた作品を飛騨市のみなさんへお届けできるのだなと思うと、本当に誇らしいし、ワクワクしました。

みんなからのお手紙↓

↓ 320+ 100個が集結

こうして、大窓展示の製作は進みました。

また、展示は大窓展示だけではなく、有志で個人製作の作品展示もありました。こちらの企画はそれぞれのメンバーにまかせました。ご相談があればお答えしましたが、基本、みんな自分で最後まで責任を持ってとりくんでくれました。

みんなの企画をもとに、展示場所を割り振りまして・・・

反対方向から見た写真ですが↓

こうしたみんなの着実な努力のもと、美術館展示は着々と進みました。美術館の副館長さんとも何度も電話で打ち合わせをして、だんだん詳細を詰めていったのです。

このころ、同時進行で講談社の「光の折り紙」の作品考案、折り図チェックなどがあり、みんな本当に大変だったと思います。ホント、部活と呼ぶのにふさわしい頑張りようでした!

続いてはレポートその2、準備編へ進みます。

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中村 香代

うっとりがみ主宰。透かし折り紙を通して、無我夢中になれる楽しさと、美しいものにうっとりできる幸せをお届けしています。

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